2008年09月29日

世界の映画作家(71) セルゲイ・エイゼンシュテイン@新文芸坐

昨日新文芸坐のオールナイトに行ってきました。
今回は、セルゲイ・エイゼンシュテインの4本立て。エイゼンシュテインは 『戦艦ポチョムキン』 以外は未見だったので、この際まとめて観てみようと思ったわけです。『メキシコ万歳』 以外は1920年代のサイレント映画ですが、『ポチョムキン』の印象では映像はうるさい(というか動的)ので寝ない自信はありました(ロシアつながりだと、少し先にアレクサンドル・ソクーロフのオールナイトがありますが、こちらは爆睡する自信があるのでまず行かない)。お客さんは、7割ほど入ってたでしょうか。映画を勉強してる学生風な若者が多かったです。

『戦艦ポチョムキン』は、観るのは5回目位ですがスクリーンでは初めて。上映45分すぎあたりで、立て続けに3回ほどフィルムが切れてしまったのが惜しかったです。とくに3回目は、オデッサの階段でいよいよ大虐殺が始まる直前の「すると突然!」の字幕のところで切れちゃって残念。

『ストライキ』は、ストライキを起こす労働者と資本家側双方の闘い。監督の長編第一作らしいですが、早回し、逆回し、ワイプ、クロスフェードとか色んな技術がテンコ盛り。凝った構図や編集もこの作品で既に見ることが出来ました。一方で、次の 『ポチョムキン』 と比べると大分ユーモアのあるノリだったのが意外。資本家とそのスパイの演技が大仰だったり、それぞれ愉快なあだ名が付けられてたりして愛嬌があって、敵側なのに妙に憎めないんですよ(これと同じ理由で 『忠臣蔵』 でも最後の方になると、そんな大人数でおもしろおじいちゃんを苛めんなや・・・と毎度思う)。ただし、ラストは原っぱで粛清される労働者と、喉を裂かれ屠殺される牛。野原一面に死体が転がる風景のあとに、こちらをにらみ付ける両目のアップが映り 「忘れるな!」の字幕で終了、と強烈。

『十月』は、ロシア革命の顛末。人物の固有名詞がたくさん出てきたり、起こる出来事も多いのでこの辺の歴史に疎いと若干付いていくのがしんどいです。ワンショットの短さやイメージショットの多さは、ますます拍車がかかっており、圧迫感を保ったまま怒涛の勢いで進行する作品でした。木彫り人形やおたふくとか東アジアの工芸品が延々と映るのにはさすがに当惑でしたが。ポチョムキンからの3作は、どれもモブシーンが凄まじかったです。あと、ショスタコーヴィチの音楽は映像ともども高エネルギーで、良くも悪くもやかましいという感想。

『メキシコ万歳』は、エイゼンシュテインが1930年にメキシコで撮影したのちニューヨークに保管されていたフィルムを、当時助監督のグリゴリー・アレクサンドロフが編集して1979年に発表したもので、メキシコの風景と習慣と歴史を現地の住民を起用して描いたドキュメンタリー調の作品。冒頭と終盤にアレクサンドロフ本人が登場し、当時の状況を説明する場面があり。国を変えても独特の画面構成は不変で、エイゼンシュテインがもっと色んな土地の色んな題材を撮ることが出来てたらなあとしみじみ。闘牛の場面での、牛目線カメラはちょっとチープでウケました。

新文芸坐では、いつも休憩時間に上映作品に関係した曲が館内に流れているのですが、今回はなんとペット・ショップ・ボーイズの二人がTennant/Lowe名義で2005年にEMI Classicsから発表した 『戦艦ポチョムキン』 のスコアが使われてました。PSBファンの当方は、曲が聞こえてきた瞬間に内心ウォーッと大反応。ありがとう、新文芸坐。

Tennant/Lowe / Battleship Potemkin

このアルバムはPSBとしてはオリジナルアルバムとしてカウントしている大変な力作。そもそも何故に彼らがこの映画に音楽を付けたかというと、ロンドンのICA( Institute of Contemporary Arts)からの依頼だったらしいです。それに加えてボーカルのニール・テナントさんがロシアの歴史や文化に大変造詣の深い方であること。そして、ゲイであった先達アーティストへのオマージュに事欠かさない彼らですので、エイゼンシュテインにも同様の思いがあったのでは、という理由も考えられます。発表当時は、イギリスとドイツで実演上映会をやってたみたいですが、いまこのスコアでこの映画を見ようとすると、DVDと一緒にCDを流すしかないとか?

posted by かまた at 02:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2008年09月20日

布施明 / Ballade

布施タンがカバーアルバムを出すと知った時は、曲目からしてあの声でいつものように歌う無難なアルバムになるだろうと思っていたのですが、予想に反しての実験作でした。
いわゆる「布施明」の歌唱を封印・・・とは行かないまでも、非常に抑えた歌い方をしていて尚且つ今までになくファルセットを多く使っていました。本人がこの前の山野楽器イベントでアルバムについてアピールしていたのは、「原曲と同一キーで」「テンポはスローに」 「声はウィスパー」の3点。カバーアルバムをつくる場合はこうした制約を設けた方が特色を出し易いんでしょうね。

布施明 / Ballade

アマゾンなど既に出ているネットでのレビューを見ると、ファルセットの多用についてはだいぶ賛否両論があるようです。やはり私も最初CDを聴いてみたときは、「えらい高いなあ」と若干戸惑いました。何回か聴くと少しは慣れるんですが、いつものトーンの方がやはり聴いてて心地良いので「そこで上がるのかよ!」とか「また上がるのかよ!」と内心ツッコまずにはいられないんですよ。同じく山野イベントでの、この歌い方は喉への負担が大きくて苦労したとの旨の発言や、ライブ@越谷での爆発的な歌声を目の当たりにすると、だったら普通に歌えばいいじゃん、と。でも需要と供給のズレが発生するにしろ、人知れず新たな技術に挑んでたってのは良い心意気ですよね(何様)。
スローテンポでの統一と、アレンジは良かったです(担当は瀬尾一三)。あとブックレットをよく見たらコーラスはタイム・ファイブでした。曲単位でいうと、"時の過ぎゆくままに"と、山野で歌った2曲が聴き易かったです。また、意外に"世界に一つだけの花"は行けるんじゃないかと思ったけど、これって元の歌い手の歌唱力が・・・だからだろうか。とか、あんだけ流行ってたのに"桜坂"をフルで聴いたのが初めてだった。など、どうでもいい発見もちょこちょこありました。

にしても、今回のアルバムの発売に関しては結構世の中の注目が大きいのか、山野楽器の記事では当ブログ史上最大の訪問者数を記録しました。今でも、その後に投稿したジェネシスの記事なんかより布施関連の記事の方がアクセス上位だし、やはり「布施+J-POPカバー」ってのに興味そそられる人は多いのか・・・。(ちなみに、このブログの検索ワードは"布施明"が一番多いです。その次は"歌謡コンサート"か"Sansa e130"。たまに、"泉じゅん ヌード"とか"muse マシュー 変態"とかで引っ掛かった人の形跡を見ると嬉しくなるんですが。)
イベントで同席したご婦人やネット上の意見だと、どうせカバーするならカンツォーネやシャンソンを歌ってほしいという声があったのですが、わたしも同意見かなあ。というより、布施タンて外国語詞に自分で訳詞をつけたり、洋楽に限らず歌詞を単語レベルで身振りにしながら歌うような人だから、布施セレクトの曲とか本人が歌詞に心情込めて歌える曲がよいと思います(山野イベントで、難しかった曲は?と問われて「何言ってるのか分からない」という理由でスピッツの"空も飛べるはず"を挙げていたのには、すごく納得)。あと、個人的に前から布施タンに歌ってほしいわーと思ってる曲もあるし、ファン投票で曲を決めるとかどうっすか?布施タン・関係者および(入ってないけど)ファンクラブの皆さま。
posted by かまた at 03:32 | Comment(4) | TrackBack(0) | 布施明 | 更新情報をチェックする

2008年09月16日

土曜日のNHK BS2「黄金の洋楽ライブ」

13日に布施タンのツアー初日@越谷を観て来ました。アルバム感想とライブ記録を書かねばというところですが、その前にちょっとオススメ宣伝。

今週末のNHKBS2「黄金の洋楽ライブ」は、Genesis/Supertrampの二本立てだそうです。(以下、NHKサイトからコピペ)

黄金の洋楽ライブ − ジェネシス/スーパートランプ −
9月20日(土)午後11:40〜午前1:10


ジェネシス1966年英国で結成。80年ロンドンのリセウムでのライブ。スーパートランプ1969年にイギリスで結成。77年英国クイーン・メアリー・カレッジでのライブジェネシスについては、いつもここで名前を出しているのですが、スーパートランプも凄く好きでよく聴くバンドなので、この組み合わせは嬉しいところ。最近紙ジャケが出たので、それに合わせての取り上げかもしれないですね。肝心の放送内容ですが…

ジェネシスは、1980年のLyceum theaterでの公演。今回放送するのは、おそらく時間からしてSACDボックスのおまけで収録されていた40分ほどの編集版と予想。私は既に見ている映像なのですが、この頃のライブは曲・演奏・会場規模など何につけても丁度良くて、とっつき易いのでオススメです。これ以降だとポップさや80年代ぽさが鼻につく方も多そうなのですが、これはツアー時のアルバム「Duke」共々ポップ/プログレの加減が絶妙。硬派な演奏も楽しめます。あと、客層がまだ野郎だらけなので、演奏と相まって会場の雰囲気が適度にムサいのが良いです。フィル・コリンズはアロハシャツ姿で、キレのある歌とアクションとタンバリン捌き、そしてドラミングを披露しているので、これを見れば彼がただのキューピーではないことが分かって頂けるかと思います。見るよ!という方は、右の方で淡々と鍵盤弾いてる猫背のイケメンにも是非注目してみて下さい。

フィル・コリンズ < 誰がキューピーじゃ!

あと、今回は放送されないと思いますが同じライブの"I Know What I Like"のときに、フィルがベースのマイク・ラザフォードの頭をタンバリンで叩くのですが、ニコニコしながら叩かれるマイクと調子に乗って連打するフィルの図が面白いです。上手いこと、そこだけ抜き出した動画がありましたのでどうぞ。

 いいキャラだ

スーパートランプは映像に関しては全く手を出していないので放送がとても楽しみ。1977年のライブらしいので、アルバムでいうと「Even in the Quietest Moments」の頃。次の「Breakfast in America」が大ブレイクするちょっと前ですね。"Babaji"が聴きたいなあ。

posted by かまた at 03:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | 更新情報をチェックする

2008年09月11日

「Ballade」発売記念 布施明 インストア・イベント@銀座山野楽器 9月10日

行ってきました。
開店時間の10時30分から入場整理券の引換えが始まっていたのですが、普通に開場時間の20分くらい前に行ったところ整理番号は77番。皆さん行動が早い。整理番号順に階段に並ぶと、予想通り観客のほとんどはおねえさま方でした。このイベントは抽選で100名様をご招待とのことだったのですが、確かに会場内に用意されていたイスも100席程度でしたので、本当に抽選で当たった人のみの観覧だったようです。観客が席に着いてしばらくすると、会場の後ろとサイドにプレスの皆さんがダダーッと入って来てカメラをステージに向けていました。

16時半に時間通りにイベント開始。司会の女性に続いて、布施タンのご登場。開始直前まではのんびりと構えていたのですが、自分のいた近くのドアから布施タンが出てきたので「うっへ近い!カッコイイ!」と一気に舞い上がってしまいました。壇上では先ず、カバーアルバムに挑んだ経緯などのお話。曲目を見てなんとなく予想は付いていましたが、今回のアルバムは布施タンではなくてユニバーサルの企画およびご意向によるものだそうです。あとは、「私生活は不真面目だけど歌には真面目だから」といった冴え渡るギャグ(?)や、いくらカバーが良くてもオリジナルを越えるのは難しいよね、という話などなど。(この時お気に入りカバーの例としてニーナ・シモンによるビートルズの"Here Comes the Sun"を挙げて、♪Here comes the sun, little darling〜と軽く歌ってらしたのですが、これがさりげなく良くて良くて。「布施明/ビートルズ鼻歌集」なんての出してくれたら買いますよ私)そして、とりあえずここで一曲ということで、"ワインレッドの心"(演奏はカラオケ)。実はまだCDを買っておらず布施カバーは初耳でしたが、特段の違和感もなくゆっくり聴き入っておりました。

歌が終ると、再びトーク。司会の方の「"ワインレッド〜"は毒のある歌ですよね・・・」という話の切り口から、壇上のお二人でこの曲の歌詞を妖艶とかセクシーとか形容し始めて、そのうち布施タンからは「最中の曲でしょ?」とか、更に格段ぶっちゃけたコメントが飛び出し会場大ウケ。いやあ、(飲んでないけど)お茶を噴き出すかと思ったわー。そしてトークを挟んで更に"I LOVE YOU"を歌唱。真面目に聴いていたつもりでしたが、後半にはいつも通り声に心酔しすぎてしまいウットリとボケラー状態でした。聴いている方はこの状態なのに、司会の「若い恋の歌だけど布施さんが歌うとまた違った(大人な)感じが・・・」というコメントに対して、「でもこの年できしむベッドはねえ〜」と見も蓋もないことを仰る布施タン・・・。その他も色々なトークがありましたが、書ききれない(以前に思い出せない)ので割愛。たぶん、ツアーでも今回と同じネタをいくつかは話してくれるはず(いい加減)。とにかく、布施タン流の薀蓄とジョークが満載の楽しい30分でした。めでたしめでたし。―― と思いきや、イベントの終了をアナウンスすると思われるスタッフの方が前に出て来たかと思うと、彼がサラッと観客に告げたのは


「続いて 握手会 に移ります」  云々


ッげえええええ!聞いてねええええ!!昨年8月のトラウマの握手会@フジテレビから、早13ヶ月。何の警戒もなしにやってきたこのイベントで、いきなりの握手会とは、抜打ちテストにも勝る衝撃!とりあえず、手汗をぬぐったりオールタイム膨張状態の頭髪を抑えたりの応急処置。にしても、今回ばかりは性にもなくフルで化粧して来ておいて助かった・・・(それでも悲惨なツラだけど)。必死に緊張を抑えて、カメラに囲まれた壇上への行列に並ぶも直ぐに自分の番に。布施タンの前でとっさに作った笑顔で「お体に気をつけて!」とだけ述べてササッと握手を済ませると、握手が終った順からご退場下さいということもあったので、そそくさと会場から出て来ました。その後は緊張だか何だかで腰が抜けかけてしまい、会場の7階から1階に降りるまで壁に手をつきながらヨロヨロと階段を下りましたとさ。ウッハー、とても他のファンの方々みたいに布施タンと談話出来る度胸とスキルがないや・・・。しかし、前回と比べるとちゃんと笑顔で目を見て握手出来たのは進歩か・・・って、どんだけヘタレなんだ自分。

あと最後になりましたが、開場前に階段に並んでる時からお店を出るまで、とある女性のお客さん(布施タンと同い年とのこと)とお話出来たのが楽しかったです。もしかしたら、人と布施トークしたの初めてだったかも。もし厚生年金会館でお会い出来たらどうぞよろしくお願いします、整理番号76番の奥さま。
わざわざお名前を伺わなかったのですが、(ちょっと場所違うけど)銀座という土地柄 『君の名は』 みたいで味かも。よーし、10月26日は新宿で真知子巻きだー(ウソ)

※「Ballade」CDは会場でも売っていましたが、帰りにHMVで買いました(水曜日はゴールドカードはポイント2倍なもんで)。感想などは後々。

posted by かまた at 02:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | 布施明 | 更新情報をチェックする

2008年09月10日

生きてます

また間が空いてしまいました。が、特にネタはないので、とりあえず生存報告です。

旅行から帰ってきたのが9月1日。そこから一週間、とある用事の準備と週末にあったその用の当日で心身ともにぐったりしてしまい、自分で言うのもなんですが胃はもたれ目は死んでました。しかしながらその後、録画しておいた 『氷の華』 を観たのと、あとたまたま 『モンスターペアレント』 最終回をチラ見したお陰で復調の兆しです。案外、米倉涼子を見ればでどうにかなるという、安い疲れだったようですね。ああ、早く 『CHICAGO』 が見たいわー(実は観覧予定)。

本日は、めでたく入場券の抽選に当たった布施明のアルバム発売イベント@銀座の山野楽器。ひさびさの生布施タンに、若干ドキドキしながら行ってきます。
posted by かまた at 02:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | 更新情報をチェックする